去る平成30年12月21日、「平成31年度税制改正大綱」が閣議決定されました。皆様に関わりのある改正点で、特にお伝えしたい項目は下記のとおりです。過年度成立し今年度に申告期日が到来するものも含め、記載しています。
- 過年度に成立済の税制 -
平成30年1月1日より(10年間限定)
○事業承継税制の創設 (贈与税・相続税)事業承継により、引き継ぐ会社の非上場株式等を取得する後継者に課される贈与税・相続税について納税猶予が創設され、承継した株式の100%が納税猶予の対象となる。(平成35年3月31 日までに特例承継計画を都道府県に提出すること)
平成30年4月1日より
○中小企業における所得拡大促進税制の改組(平成33年3月31日までに開始する事業年度)従業員の平均給与が前期対比1.5%以上増の場合、給与増加金額の15%税額控除。さらに、同2.5%以上増で、かつ教育訓練費が前期比10%以上増の場合等は、25%の税額控除。
○小規模宅地等についての特例の見直し(相続税)
相続開始前3年以内に貸付事業の用に供した宅地等は、貸付事業用宅地等の範囲から除く。
平成31年10月1日より(消費税)
○消費税の税率を10%に引き上げ。軽減税率制度は酒類を除く飲食品(店内飲食は除く)、新聞
- 以下、平成31年税制改正大綱より -
平成31年1月1日より
○個人事業者(青色申告)の事業承継税制の創設(10年間限定)認定を受けた承継計画に基づき個人事業後継者が引継ぐ土地(400㎡まで)建物(800㎡まで)機械等(青色申告B/S計上分)に係る相続税・贈与税について、100%納税猶予する。3年ごとに継続届出書提出必要。従来の特定事業用宅地の小規模宅地特例と選択適用。(贈与税・相続税)
○中小企業災害事前対策関係税制の創設(中小企業経営強化法改正後平成32年度末まで)事前対策計画を作成し主務大臣の認定を受けた後、計画に沿った「機械装置」(100万円以上)自家発電機、排水ポンプ等、「器具備品」(30万円以上)制震・免振ラック、衛星電話等、「建物付属設備」(60万円以上)止水板、防火シャッター、排煙設備等 を取得した場合、20%の特別償却が可能。(所得税・法人税)
平成31年4月1日より
○相続開始前3年以内に事業の用に供した宅地等は、特定事業用宅地等から除く。ただし当該地上に宅地価額の15%以上価額の減価償却資産が事業に供されている場合は適用対象。(相続税)
○中小企業投資促進税制の2年間延長
○商業・サービス活性化税制(経営指導等に基づく設備投資)の2年間延長
○中小企業経営強化税制の2年間延長
平成31年10月1日より平成32年12月31日まで(所得税)
○消費税率10%の住宅取得者のローン税額控除の期間を10年から13年に延長
平成32年4月1日より(相続税・贈与税)
○配偶者居住権が新設され、該当する建物及び同敷地の評価額から配偶者居住権を控除して算出。
平成36年1月1日より
○森林環境税(仮称)を創設する。国内に住所を有する個人に、年1,000円賦課する。